ポイント
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1顧客へのアプローチ力を高めるために、顧客管理システム等の機能を強化
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2披露宴会場を仮想空間で体験できるサービスを開始し、顧客の利便性を向上
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3デジタルツールの充実を図り、顧客とプランナーの意思疎通をスムーズに
顧客管理システムと「COCORO CARD」を進化させる
記念日事業において、顧客各家の結婚記念日や子どもの七五三などライフイベントにアプローチするために、2013(平成25)年に顧客情報をグループ全体で共有する管理システムを導入しました。
さらに、顧客とグループをつなぐ会員情報カード「COCORO CARD」を開発し、これらの活用により、記念日に八雲迎賓館へお帰りいただく仕組みづくりを図っています。
また、イベントや商品発売などの案内は郵送からメールに変更。情報の管理形態を紙からデジタルデータに変え、多くの作業を自動化したことで業務の効率化が進んでいます。現在、「COCORO CARD」へのID発行や読み取り機能の付与、システムの情報収集・発信機能の強化を図っており、今後は、マーケティングでのデータ活用も検討しています。
VRを導入し、披露宴会場を3次元画像で見せながら提案
結婚式の打ち合わせ段階での披露宴会場見学で顧客の多くが希望する土・日曜日は、実際の挙式日と重なり見学できないことが多く、見学時間を確保するのが困難でした。そこで、仮想空間(VR)で会場を見られるシステムを構築し、会場の3D画像を制作、5Gの通信環境を整備しました。
何種類もある装花やテーブルクロスの画像データを入れ替えながら会場全体の雰囲気をリアルに確認できるため、顧客が思い描く披露宴のイメージにより近づけられるようになりました。装着するVRゴーグルは貸出にも対応しており、自宅での利用も可能になっていきます。
伊藤福社長は、「体験されたお客様には、『先にイメージがわかり、思い通りの会場が実現できた』と喜んでいただきました」と話しています。
プランナーの作業環境を整備し、顧客サービスを向上
顧客管理システムを最も活用するのは、顧客に寄り添いながら婚礼準備を進めるプランナーです。まず、打ち合わせに用いる端末を、機能と使い勝手を考慮の上、パソコンからタブレット端末へシフトしています。そうすることで作業が手軽になり、負担が軽減され、顧客とのやり取りがスムーズになることが狙いです。
新しいサービスのVRによる会場提案の他に、既にある写真などの2次元画像を利用する機能の充実も図りました。顧客のスマートフォンなどに保存されている結婚式のイメージ画像を基に、八雲迎賓館の披露宴会場の画像をスピーディーに作成できるシステムで、手軽に顧客が式場の様子をイメージしやすくなり、より具体的な提案が可能になります。
今後の展望
仮想空間による会場のご提案は、試験的な運用を繰り返しながら表現できるコンテンツを増やすとともに事例を蓄積し、完成度を高めていきます。結婚式は心のふれあいとおもてなしから成るリアルな時間であり、打ち合わせも肌感がわかる対面が基本です。しかし、VRで情報提供ができることで、病気のご家族にオンラインで式をご覧いただいたり、結婚式の形態の幅が広がったりもします。リアルとデジタルのバランスをどう図っていくかが課題と考えています。
相談先・業務委託先
相談先 | (公財)ふくい産業支援センター、システム開発会社 |
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会社概要
社名 | 八雲迎賓館 |
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代表者 | 代表取締役 伊藤 正美 |
所在地 | 福井県福井市志津が丘3-163-1 |
従業員数 | 90名 |
業種 | 結婚式場の運営、関連事業 |
取扱品目 | 婚礼衣装、引出物 等 |
設立 | 1989年 |