ポイント
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1カーテン縫製の進捗状況を把握し、全社で共有する進捗管理システムを導入
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2社員の負担を軽減するため、システム関係の操作はバーコードの読み取りを中心に
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3進捗状況が明確になり社員の納期管理意識が向上、製品探し等の手間も削減
生産状況を見える化し、数量把握を自動化したい
同社では、製品ごとに顧客名・受注日・出荷予定日・生地品名・仕上がり寸法・数量などを記載した縫製(生産)指図書を作成し、生産管理を行っています。
以前は、これらの情報をExcelシートで作成した紙の指図書のみだったため、工程がどこまで進んでいるかを確認するには現場で目視するしかなく、顧客からの問い合わせの際などは、現在どの工程にあるのかの確認に時間を取られていました。また、生産数のチェックも手書きの指示書をカウントする必要があり、時間を要するものでした。
そこで、製品ごとの進捗状況や生産数などの情報をサーバーに蓄積し、全社で共有する進捗管理システムを導入。各情報の基になるデータは、指図書に印字したバーコードを、縫製機械に接続したバーコードリーダーで読み取って取得しています。
システムの仕組みや操作はできるだけシンプルに
進捗管理システムの稼働に当たっては、「社員に負担をかけず、継続的に使用できることを最優先した」と佐々木社長。入力項目が多く、煩雑な業務が増えてしまっては本末転倒との判断からです。
システム稼働により社員に新たに課せられたのは、作業終了後、縫製機械に装着されたバーコードリーダーに指図書のバーコードをかざすことのみです。素早く読み取れるように、バーコードリーダーは反応性に優れた機種を選択しました。また、秒未満の単位で作業をスムーズにするために読み取りやすい角度・高さに設置し、かざすだけで読取りができるよう工夫しました。
読み取られたデータは、各バーコードリーダーから工場内の端末に接続された充電ポットを通して、常時サーバーに送られる仕組みです。この新しい作業環境は導入してから1~2年で定着しています。
生産状況を日々確認 DXのポイントは導入目的の追求
バーコードリーダーは要所となる複数の縫製機械に設置され、製品ごとの進捗状況は、管理部門と工場の端末で確認できます。各班のリーダーは、日々の生産数を集計した一覧を確認し、前日の生産数と当日の出荷数を朝礼で各社員に周知しています。
これにより全員が、製品ごとの進捗や納期を意識しながら作業するようになり、現在どの工程にあるかわかることで、工程の途中にある仕掛品を探す時間が70%以上削減できました。
また、生産数記入などの時間も同じく70%以上減少し、それまでの手間が省かれました。「工程の見える化と省力化」という目的をシンプルに追求したことが功を奏しています。
今後の展望
次の段階では、工場にモニターを設置し、現在端末で確認している進捗状況を常時見られるようにしたいですね。受注数を着実にこなしているのが目に見えてわかれば、社員のモチベーションも上がるのではないかと思います。関連会社の経編工場では、機械の稼働状況をモニターで開示したことで見回り作業が軽減されました。大型モニターの価格低下やパソコンの小型化が進み、Wi-Fi環境も整ってきていますので、春江工場でも設置できればと思っています。
取組みにかかったコスト
コスト | 600万~700万円 |
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相談先・業務委託先
相談先 | システム開発会社 |
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会社概要
社名 | 丸幸せんい株式会社 |
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代表者 | 代表取締役 佐々木 直哉 |
所在地 | 越前市小野谷町4-1-13 |
従業員数 | 50名 |
業種 | インテリアカーテンの製造販売 |
取扱品目 | インテリアカーテン |
創業 | 1972年 |