ポイント
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1ヘアカラー選定システム「カラーアンサー」を開発
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2即座にカラー剤の色・分量を選定し、生産性を向上
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3美容師の採用・育成にかかる人件費を約50%削減
習得に最も時間とコストがかかるカラー剤の選定をシステム化。
美容室の施術の中でもリピート率が高いヘアカラーに特化したサロンを運営する同社。現在は県内外に直営店14店舗、フランチャイズ11店舗を展開していますが、店舗数が増える中で課題となったのが、採用と教育にかかるコストの大きさでした。「当社の新人の場合、1店舗当たり1人の教育に年間約50万円のコストがかかっていました。そのおよそ半分を占めていたのが、お客様の要望を叶えるカラー剤を選定する知識や技術の習得でした」と振り返る村田氏。そこで、熟練の美容師の経験値や感覚に基づくノウハウをデータ化し、経験の浅いスタッフでも簡単に要望通りのカラー剤と分量を導き出せるシステム「カラーアンサー」の開発に着手しました。
優秀な技術者の経験値をデータ化しコストダウンと生産性の向上を実現。
システムは2023年12月にβ版が完成し、現在は直営店およびFC店への導入を目指してテスト運用に取り組んでいます。これまで感覚で決めていたカラー剤選びを一つひとつ具体的な数値に落とし込むのは大変な作業でしたが、直営店でトップクラスの技術力を持つスタッフと協力してデータ化。カウンセリング内容をもとにタブレットに希望のコースや色味、カラーレベル、髪の状態などの情報を入力すれば、最適なカラー剤の品番と分量が選定される仕組みを構築しました。新人でもすぐに選定ができるため、教育コストの削減だけでなく、業務の効率化やカラー剤の過剰使用を減らして原価率のダウンも実現できます。
「カラーアンサー」は既存の予約管理システムと連携して施術内容の情報を蓄積することもできるため、データは顧客カルテとしても活用できます。顧客の約8割が白髪染めのリピート客のため、どのスタッフが対応しても前回の履歴をもとに同じ仕上がりにすることが可能です。
美容業界の「人」の課題にも貢献。
「カラーアンサー」はスタッフの施術時間やカラー剤の塗布量などのデータも蓄積でき、作業効率の見える化が図れます。まずはスタッフ各自がセルフチェックをして、スキルアップの目安にすることから取り入れていきますが、将来的には人事評価や人材育成への活用も視野に入れています。
「これからは人を採用できる会社が生き残れる時代。『カラーアンサー』の導入で業務の負担を軽減し、熟練度の差を埋めれば、現場を離れている休眠美容師にも復帰のチャンスが作れます。より多くの人材が美容業界で活躍できるようお手伝いしたい」と語る村田氏。美容業界の中でもヘアカラー専門店はマーケットが拡大しており、2025年には国内2000店舗を超えると予想されています。実店舗での運用でアップデートを重ねたのちには、システムの販売も計画しており、実店舗の運営から生まれたDXツールを通して、業界の課題解決に貢献していきます。
今後の展望
美容室は労働集約型のビジネスですが、DXツールによる効率化を組み込むことで安定したサロン運営が可能になるため、フランチャイズ展開の大きな強みになると考えています。
当社はクラウド上で運営マニュアルを共有しており、問い合わせや相談もチャットツールを活用して遠隔マネジメントが成り立つ体制を整えているので、地域やオーナーの業種を問わず出店することができます。仕組化できるところはシステムで解決し、気持ちに寄り添うような人にしかできないサービスも向上させながら、全国100店舗の目標達成に向けて力を注いでいきます。(取材者:代表取締役 村田隆行氏)
取り組みにかかったコスト
コスト | 非公開 |
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相談先
相談先 | 令和4年度新事業チャレンジステップアップ補助金を活用 |
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会社概要
社名 | 株式会社マスターピース |
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代表者 | 村田隆行 |
所在地 | 福井市種池2丁目611 |
従業員数 | 55名 |
取扱品目 | ヘアカラー専門店の運営、FC展開 |