システム導入で業務の効率化と安全な運行管理を実現

ポイント

  • 1デジタコ活用で安全運行と効率的な入庫を実現

  • 2運行結果を点数化し安全運転の技術向上と評価へ

  • 3遠隔点呼導入で管理者の拘束時間を年間1000時間以上を削減

アナログな運行記録管理からの脱出と運行管理者の負担の軽減をしたい

同社は福井に本社を置き、北陸・関西・中京・関東の計12拠点で路線事業と区域事業を展開する物流企業です。近年、燃料高騰やドライバーの高齢化に加え、20244月からの改善基準告示の改正による労働時間制限により、働き方の見直しを迫られていました。

以前の走行記録は、円盤型のチャート紙に記録するアナログ方式でした。ドライバーは紙のセットと提出、管理者は紙の解読や拡大鏡を使った確認が必要で、長年にわたり時間と労力がかかる作業となっていました。また、貨物運送事業者に義務付けられている「点呼」業務も大きな課題でした。ドライバーの出発と到着が日曜・祝日になる時は、運行管理者も出勤する必要があり、心理的・体力的な負担となっていました。これらの課題を解決するため、同社はドライバーの厳格な時間管理、トラックの積載効率の向上を図るためIT機器を活用した業務改善の必要性を強く認識していました。

デジタルタコグラフと遠隔点呼による運行管理のDXと効率化

同社では、大型トラックにデジタルタコグラフ(運行記録計)を設置。GPS機能付きで、速度・走行距離に加え、リアルタイムで車の位置や運行状況を本社のモニターで把握することが可能になりました。運行データはクラウド上に送られ、休憩や労働時間、速度管理などの統計データを出力することができます。さらに到着順の予測によって作業員の事前準備が可能となり、以前のような混雑がなく、作業効率が大きく改善しました。これによって安全運転や省エネ運転の可視化、ドライバーの正確な時間管理につながっています。点呼においてはビジネスサポートシステム(遠隔点呼・自動点呼機能)を導入。国土交通省の基準に沿ったシステムで、離れた支店でもドライバーとのビデオ通話やアルコールチェック、体温入力により本社での点呼が可能になりました。特に、乗務後の自動点呼の導入により、これまで日曜・祝日に出勤が必要だった運行管理者の負担が大幅に軽減されました。

データ活用によるドライバー評価と管理部門の働き方改善

デジタルタコグラフは、雪による通行止め回避、速度超過や事故情報のリアルタイム通知を可能にし、管理者からドライバーへの個別メッセージ送信で適切なルート指示ができるので、到着遅延を避けられます。入庫状況の把握は、荷下ろし人員の適切な配備となります。さらにドライバーの運行結果を点数化して掲示することで、ドライバー自身の意識改善になること、安全教育や運転技術の向上につながっており、今後は賞与評価への活用も視野に入れています。ビジネスサポートシステムを利用した遠隔点呼や乗務後自動点呼の導入により、乗務前後の点呼立ち会い時間が大幅に減少し、運行管理者が点呼立会いにかかる時間を年間1,000時間以上削減。運行管理者の休日・深夜出勤が不要となり、負担が大幅に軽減されました。点呼簿の作成や確認作業が不要となり、他の業務に時間を充てられるようになりました。これらの改善の結果、ドライバーもスムーズに帰宅できるようになりました。今後は、国土交通省の基準変更に対応し、血圧・体温計の連動機器の試験導入も進めています。

自動運転の未来を見据え、AIを活用し安全・信頼の物流を目指す

本システムを導入する前から使用感を他メーカーの商品で試してみるなど、準備を用意周到に行っており、システム導入に当たって大きな苦労はありませんでしたが、トラック台数が多いため機器代と設置時間がかかることが課題です。まだ用紙をベースとして行うタコグラフも残存しており、アナログな作業から脱し切れていない作業も多いのが現状です。点呼での待ち時間や荷下ろし作業にかかる時間の短縮が見えているため社員からは「早く導入してほしかった」という声も受けています。導入に尽力した執行役員運行部部長柴田正幸氏は「AIを活用すれば効率化できる作業がたくさんありますし、自動運転が当たり前になる未来も近いと感じています。DX化を進めることで、単に効率だけではなく、安全な運行と交通事故の防止につながること、荷物を預けるお客様から、より信頼される物流事業者になることを目指しています」と話します。

専門家(ITコーディネータ)から一言

クラウド化されたデジタコと点呼システムにより事故撲滅や管理効率化を実現されていることが、デジタル化取り組みの成功結果と伺いました。また、GPSを利用したドライバーへの的確な指示も可能としており、デジタル化が全社での安全意識の向上に繋がっています。今後も同様な取り組みは継続されることから、DX取組推進企業としてさらなる成長が期待できます。最も特筆すべきは、これらを社長主導で取り組まれていることです。

一方、DX取組の継続に当たり、昨今のサイバーセキュリティ脅威に適切に対応するために、情報セキュリティの取り組みも併せて実施されることを強く推奨致します。

取り組みにかかったコスト

コスト

1,000万円(400万円の補助金活用も含む)

相談先

相談先・活用施策

ふくいDX加速化補助金

お話を伺った方(役職・氏名)

お話を伺った方(役職・氏名)

執行役員運行部部長 柴田正幸氏、社長室室長 川岸道子氏

 

 

会社概要

事業者名

ラニイ福井貨物株式会社

代表者

代表取締役社長 藤尾 秀樹

所在地(住所)

福井市和田中町 113 1 番地

従業員数

431

事業内容

トラックを利用した運送及び 保管・国際物流サービス

会社紹介・取扱品目・受賞歴など:
トラック輸送を軸として、倉庫業・物流に関する企画・運営・実行を一元的に引き受ける事業を展開。ほかにも国際物流・チルド物流などワンストップでお客様の要望に合わせたサービスを行っている。

その他の事例集

事例一覧にもどる